── 子午流注のリズムに寄り添う暮らしと食事
私たちの体の中には、目には見えないけれど確かに働いているものがあります。
それが 「気」 と 「血」 の流れです。中医学では「血は気を運ぶ舟」といわれ、血流がしっかり巡ることで気の流れもスムーズになると考えられています。
そんな気と血の流れを整えるための知恵として、古くから伝わってきたのが 「子午流注(しごるちゅう)」 という時間養生の考え方です。
これは1日を12の時間帯に分け、それぞれの時間に対応する臓器の働きに合わせて過ごすことで、体と心を内側から調えていくというもの。
忙しい現代の暮らしの中でも、「少し意識するだけ」で取り入れられるシンプルさが魅力です。
今回は、子午流注のリズムに沿った朝から夜までの過ごし方と、血流を助ける食事の工夫を紹介します。
■ 5〜7時|太陽の時間 ― 朝の一杯の水と太陽の光でスイッチON
朝起きたらまず、一杯の水を飲みましょう。
これは単なる水分補給ではなく、腸を刺激しお通じを促して老廃物を排出し、体内の巡りのスイッチを入れる大切な習慣です。
■ 7〜11時|胃腸の時間 ― 味噌汁で血流たっぷり、栄養補給で力をつける
この時間帯は胃腸が活発に働く時間。
朝食では特に「味噌汁」が重要です。
発酵食品の味噌は腸内環境を整え、温かさが血流を促進し、目覚めたばかりの体にやさしくエネルギーを届けます。
おすすめの具材は、にんじん、ほうれん草、鶏肉、卵、干ししいたけ、山芋、黒ごま。
これらはビタミン、ミネラル、たんぱく質をバランスよく含み、血流をたっぷり促して気の巡りをサポートします。
常備菜例:
にんじんしりしり(卵入り)
ほうれん草の黒ごま和え
鶏と干ししいたけの煮物
9〜11時(運化の時間)は、仕事や運動にも適した時間です。
■ 11〜15時|心と小腸の時間 ― 吸収と休息のバランス

体が栄養を吸収しやすい時間です。
ランチでしっかりエネルギーを補給した後は、短時間の昼寝がおすすめ。
昼寝は14〜15時ごろの「八つ時(やつどき)」、おやつの語源となった時間に合わせるとよいでしょう。
30分以内にとどめるのがベストで、だらだら寝てしまうと逆にだるさが残るので、目覚ましをセットしておくのがポイントです。
■ 15〜17時|膀胱の時間 ― 軽やかに動き、巡らせる
体内の余分な水分を排出しやすい時間帯です。
座りっぱなしの人は、軽いストレッチやウォーキングを取り入れ、血流と気の流れをサポートしましょう。
猫のポーズや前屈ストレッチなど、無理のない動きがおすすめです。
■ 17〜19時|腎の時間 ― 体力の土台を養う
腎は中医学で「生命力の貯蔵庫」とされる大事な臓器。
夕食には豆乳、豚肉、トマト、れんこん、きくらげ、レモン、貝類、番茶・緑茶といった補腎食材を意識的に取り入れましょう。
温かいスープや煮込み料理で体を内側から温め、気血を補うのがおすすめです。
■ 19〜21時|心包の時間 ― 心をゆるめるお茶時間
心を穏やかに整え、一日の疲れを癒す時間です。
おすすめは「お茶瞑想」。
やり方:
背筋を伸ばして座る
目を閉じ、呼吸に意識を向ける
今日の出来事を思い出し、感謝の気持ちを向ける
願いや目標をそっと口に出す
お茶の温かさが喉を通り、体に広がっていく感覚を味わう
温かいお茶は血流を穏やかに促し、心をやさしくほぐしてくれます。
■ 21〜23時|三焦の時間 ― 最後のリセットタイム
三焦は体全体の気の流れを整える役割があります。
はちみつ生姜レモンなど、体を温める飲み物で体をゆるめ、就寝準備を整えましょう。
■ 23時以降|胆・肝・肺の時間 ― 熟睡で血をつくる
23時〜1時(胆の時間) は23時までに就寝が理想。
1時〜3時(肝の時間) では熟睡により血流が改善され、体の浄化と修復が行われます。
3時〜5時(肺の時間) は一日の呼吸リズムを整える時間です。
特に女性は生理中、チキンスープで血を補い、無理をせず過ごすことが大切。
生理後半は「デトックス期」として不要なものを整理。
生理後は「キラキラ期」となり、豆腐、豆乳、黒豆、アスパラ、いかなどで心身のチャージを。
■ 気血のめぐりを整える暮らしのまとめ
朝の水 → 腸を動かし、気血の流れを軽やかに
朝の味噌汁 → 血流を促し、気を満たす
昼寝・運動 → 時間帯に合わせた休息と巡りの調整
夜の瞑想茶時間 → 感謝と願いを込めて心を満たす
早寝 → 血を養い、浄化と修復を促す
子午流注のリズムは、特別な道具や時間を必要としません。
ほんの少し意識を向けるだけで、気血の流れが調い、心身の調和が生まれます。
明日の朝、一杯の水と味噌汁から。
あなたも“気の巡りの一日”を始めてみませんか。